2021年度総会報告(PDF)

2021年度総会報告
昨年に続き今年の総会もレポート総会とさせていだだきます。幹事会は 1 年間の活動経過と今後の方針、会計報告をこのニュース総会特集にまとめました。

52 号線の地権者・沿線住民及び運動にご賛同、ご協力いただいている関係者の皆様。
昨年に続き今年の総会もレポート総会とさせていだだきます。幹事会は 1 年間の活動経過と今後の方針、会計報告をこのニュース総会特集にまとめました。

総会報告のPDF➡️

都道52号線(環境破壊)に反対する会の活動経過

●都市計画道路補助52号線とは
世田谷区環七若林陸橋~環八千歳船橋の区間(計画延長4・9㎞・幅員20㍍)
●都道52号線(環境破壊)に反対する会
 代表者は置かず10名の幹事で運営。52号線沿線の地権者や住民らが会員となっている。年1回の総会を開いて幹事から運動の経過報告、収支報告を行なっている。最近2年は、コロナ禍で文書報告となっている。

52号線計画の位置と町の現状―人口90万の閑静な住宅密集地を横断する

世田谷区は現在人口90万、近未来に100万を超えると見通しである。町は閑静な街並みの住宅地が多数を占めている。幹線道路の環七、環八、246号、甲州街道、首都高などが通り、その間を都市計画道路補助街路などが全域を網羅している。
この度の52号線は、区の真ん中の閑静な街並みの住宅密集地を東西に貫通し、幹線道路などと結ぶネットワークを形成する計画である。
これが事業化されると立ち退きは優に1000軒を超え、住民数千人が追い出され、大型車などの大量流入による住環境悪化は必至であり、沿道は高層建築と繁華街化が進行し、閑静な街並みや住宅街は変貌する。まさにこの計画は住民を追い出し、住環境破壊と町壊しの町の再開発・大改造が目的であると言わざる得ないものである。

道路計画事業化の推移・現状

補助52号線(都市計画決定昭和21年4月25日復興院第15号、翌年第128号で終点を成城に変更)起点渋谷区若葉台、終点世田谷区成城4丁目、計画延長9・580㎞幅員20㍍。世田谷区環七若林陸橋までは1965年供用開始。都は第2・3次整備方針で1996年6月環七若林陸橋から成城4丁目まで(延長4・9㎞)の整備計画を公表、住民の反対運動広がる。
2012年には木蜜地域不燃化10年プロジェクトとして特定整備路線の新たな名称で環七若林から豪徳寺世田谷線区間(延長1・310㎞)と宮坂1丁目128号線まで(295㍍)の整備計画を発表した。
2016年3月特定整備路線の事業認可。同時に第4次整備方針で宮坂1丁目から環八千歳船橋までを優先整備路線に選定し、今後10年間に整備する計画を公表した。
この間、部分的に事業認可・用地買収が進んでいるが、住民の反対運動により道路自体は全く造らせてなく、成城217号線から成城4丁目区間(550㍍)は廃止させている。いま特定整備路線と優先整備路線及び未着手路線、沿線の街づくりの住民運動などと連携
した運動を構築しているところである。

住民運動の経過と特徴

1996年
7月  52号線の事業公表に対して住民の反対運動が始まり地権者・沿線住民は地域毎に会を立ち上げる。70~80%の地権者が反対のプレート掲示や、署名運動、学習集会、行政や議会への働きかけなど住民運動は急速に広がる。

2016年
3月 遂に都は事業認可を強行した。翌年に宮坂も認可。並行して都・区は沿線のまちづくり懇談会を開催し地区計画の変更を進めた。同時に都は第4次整備方針を発表し、52号線の宮坂から船橋までを優先整備に選定し整備推進を公表。
11月 計画全線の動きに沿線全体の連携を呼びかける住民集会を開催し、初めて計画線全体の地権者・沿線住民の連携に踏み出した。

2017年
3月 連携の最初の取り組みは計画の見なおしを求める署名。8月に2693筆提出。
4月 連携運動を加速するための優先整備地域での住民集会に65名の参加、沿線全
体の連携を前進させる機会となる。
6月 都に質問書の提出、所管との住民交渉55名参加。計画の違法性、整備理由の「交通の円滑化」「延焼遮断帯形成」「良好な都市空間の創出」「交通安全の確保」の問題点を示し、計画は住民合意形成も大義もない事を浮き彫りにした。結果は報告会とチラシで住民に知らせ、「質問と回答」集の小冊子にして配布。
7月 総会を兼ねた学習会を開催。運動の理論的確信を深め区内の道路団体との連携を図る機会となる。
9月 都・区は沿線の地区まちづくり計画について、都市計画法による法的手続き
に入ると告知。示された計画案は現在の第一種住居専用地域をすべて廃止し、
沿道の高層ビル化と繁華街化を誘導するものである。

2018年
2月 認可地域で集会を開催し「道路つくらせない宣言」を採択。
4月 現地調査合計35人参加。道路計画の問題点を共通認識に。
7月 総会兼学習&住民交流会を開催。とくに鉄道立体化や駅前整備、都市計画道路整備をセットに町の再開発が進められている問題を学習・交流。
10月 広域的な宣伝活動や、未着手地域の地権者・住民に共同を呼びかけること確認した。

2019年

未着手路線の地権者との新たな連携強化

都は「都市計画道路の在り方に関する基本方針」(中間まとめ)で優先整備路線に選定されてない未着手路線の整備などを打ち出した。これによる区内の検証対象路線38個所が公表されたが、52号線の路線関連が10ヶ所あがっている。
この計画を地権者に知らせると共に、都に住民説明会を求めるなど未着手路線との連携が急がれている。

2020年総会

ニュース

2020年総会報告

52号線の会の会員の皆様

コロナ感染拡大の新たな状況の中で、毎年開催してきました52号線の会の総会は、感染防止から今年度は中止にさせていただきます。そこで幹事会は11月8日に総会報告(①1年間の主な活動経過報告②都市計画道路52号線をめぐる状況と今後の活動方針、とくに12月上旬と来春の都に申し入れ行動③会計報告)について確認し、会員にニュース形式で届け、皆様からのご意見を戴くことにしました。

みなさん方のご意見は11月中にメール(setagaya52go@gmail.com)またはファクス(03-3427-0886)でお寄せ下さい。ご意見は会の活動に生かします。

また、来春開催を予定している道路問題学習集会にも反映したいと考えます。どうかご理解のほど、よろしくお願いします。

2019年の総会以降の主な活動についての報告

●2019年9月 52号線の会ホームページを立ち上げ運用開始。

●10月 総会の様子をニュースで知らせる。

●10月 26号線の会との連携を強め、事業認可に抗議し行政不服審査請求に12名が賛同者になりました。

●10月~11月 52号線の問題をお知らせするための保育園への申し入れ。一昨年5月の大津市の交通事故で保育士、園児ら16人の死傷者が発生、52号線の沿線は保育園、幼稚園、学校が多数あり、この危険にさらされますので、52号線の会は、保育園10カ所あまりを訪問、道路の問題(交通事故以外の問題も含めて)をお知らせしました。伝えた内容は①52号線の計画道路は幅20㍍の大型道路で、環状7号線~環状8号線などの区内幹線道路間の通過道路である。よって住民には不要であること。②52号線は緑化されている住宅地を貫くため、緑地の減少および車の排ガスの増加など環境破壊を起こすこと。③警視庁の事故調査によると交通事故の大半は交差点で発生しており、死亡事故の圧倒的多数が大型道路の交差点で発生、「52号線の交差点の数を推定すると30カ所あまり(若林~成城7丁目5.9km間)となり交通事故を呼び込むようになります。④公園3カ所(経堂4丁目と船橋1丁目の大・小の公園)が52号線で奪われること、など説明。これにたいして園長、副園長は大変心配をされており、公園は現在でも不足しているのがさらに減らされることを特に心配の様子でした。ある園では「保育士たちと園児の親に52号線の問題を説明させていただきます」とのお話がありました。

●12月「ご存知ですか?52号線計画」告発チラシ4500枚作成

 保育園を訪問して「52号線ができると、どのような問題が生じるのか」お知らせしてきましたが、52号線が園のすぐそばを通ることも知らない様子でした。沿線住民に道路計画を知らせることの必要性を痛感しました。そこで、「ご存じでしょうか?世田谷の住宅地に20㍍の道路計画が進められようとしています」というチラシをつくりました。

●12月~2020年2月 会員が手分けしてチラシを配布

 広範囲の地域に知らせる必要性を感じ、52号線沿線のほか、接続している南北道路計画の133号線128号線の周辺を含め、計画道路幅の4~5倍の広さにお知らせしました。

  • 52号線環七若林陸橋~環八船橋・桜丘までの延長約4キロ幅80メートルにわたって配布、会員35人参加
  • 133号線は、北が日大、南は農大までの約2.4キロの区間の幅75メートルに配布、経堂地区の会員3人参加
  • 128号線の沿線にも配布
  • 経堂地域、千歳船橋地域のほとんどの商店街への配布

 地域全体へ都市計画道路を知らせる必要から会員2人参加。経堂地域の商店街に配布

シンフォニー、スズラン通り、経堂南口平和通り、農大通り、本町通り、経堂西通りの各商店街(道路両側)に配布

 千歳船橋の商店街への配布(船橋、経堂地域の会員が参加)

●12月~2020年2月 経堂地域の商店会への申し入れを実施。経堂南口平和通り商店会(会長)へ52号線の問題を説明。その内容を議事録にして商店会役員にも配布していただきました(52号線のチラシも添えて)。ほかに本町通りおよび農大通りの商店会にも申入れをしました。

●02月 都は未着手区間整備の都市計画道路あり方方針策定しパブコメ募集、これに意見書を提出

●04月 都は防災整備計画改定で特定整備路線事業延長を打ち出しパブコメ募集。抗議と意見書を提出

●05月 会ニュース2020年1号500枚 「都の2つの動きと52号線現状を知らせる」などを掲載。

●08月 会ニュース№2 500枚 「コロナ感染対策最優先に道路事業見直せ」「広い道路ができると道路の雨水が排水溝に集中するので、ゲリラ豪雨になると排水能力を超えて住宅地の浸水被害が発生する」などを掲載。

●09月 都の局長が特定整備路線推進を最優先することを強調し発表。26号線の会の都交渉に52号線の会から5人が同席

●10月 認可区間(特定整備路線)の現地調査活動に12名参加

52号線をめぐる現局面と今後の方針

★現局面と運動の目標・展望

(1)都はコロナ禍でも道路整備やめず、都市計画道路全線の完成に向けた整備方針を打ち出している。

都建設局長は最優先事業の一つに災害時の延焼を防ぐための“特定整備路線”を挙げ、「新型コロナを受けた特別体制下でも防災・減災は優先することになっている。すでに地権者との協議に入っている事業は着実に進めていく」と意気込む。(都政新報 2020.9.11)

しかし都内各地の道路裁判で大型道路は延焼を防げず、むしろ災害を拡大することが明らかになってきている。「防災」で住民をだませないとなると「コロナにより.…将来目指す姿としていたものがあっという間に現実のものとなりました。…世界から選ばれる都市となるために我々には一刻の猶予もありません。…都民の命を守り人が輝く東京を創りあげる。新型コロナを乗り越え、未来の東京を切り拓くため…」に(小池都知事声明 2020.8) 昔決めた道路ネットワークは何としても完成させる。国・都の財政破綻も、住民の困窮も、交通量も、防災も、地球環境破壊も何も関係ないというのです。

(2)都民の「コロナ禍中、不要不急の道路整備見直せ」の運動広がる。

5月19日、都市計画道路問題連絡会、特定整備路線連絡会合同で、52号線の会を含む都内41団体・会員約2,000名の声として「不要不急の道路事業凍結・中止で、都の予算 4,000億円+国の補助金 4,000億円=8,000億円をコロナ対応財源にして欲しい」という要請書を都知事宛てに提出。野党議員も「5月5日の都の依命通達(既存事業の見直し)で街路整備とは事業認可済み路線も対象となることを確認している」。

しかし建設局長は前記のように「道路は防災」だから対象外と主張を繰り返しています。

(3)52号線の特定整備路線など認可区間(若林~豪徳寺+宮坂)、優先整備路線区間(宮坂・経堂・船橋)、未着手区間(祖師谷・成城)の地権者・沿線住民の連携広がる

現在“事業中”なのは特定整備路線(環7若林陸橋~世田谷線踏切りまで)と宮坂一丁目の128号線交差点までです。特定整備路線整備は世田谷線から先の整備や、南北道路の128号線につながらねば車を通せませんが、128号線や52号線の地権者・沿線住民は連携して、不屈の闘いを続けています。52号線の現在の用地買収率は若林~世田谷線の区間約57%、踏切から宮坂1丁目128号線までの区間18%にとどまっており、認可地域の少なくない地権者が土地と暮らしを守って頑張っています。また沿線住民や児童生徒・園児の親御さんから道路建設による環境破壊、町並み壊しに怒りの声が上がっています。

事業説明から25年、2015年の事業認可から5年、来年3月の事業期間内に完成させることは不可能です。52号線の128号線以西は事業説明会も測量も行われていません。環八以西にも新たな会が出来、闘っています。いままさに住民の運動が大きな力を発揮しています。

★今後の運動方針

(1)事業中区間の事業延長を許さず、優先整備路線区間の“優先”を外させる運動

東京都、及び認可する国交省へ今年度内(3月まで)に「新都市計画法により住民参加で再検討を」申し入れる。またこれまでの“回答”を踏まえ、新たな内容を加えた公開質問状を都に提出し問題点を質し住民に知らせる。

(2)都議会・区議会への働きかけ

都議会・区議会議員への要請・質問状(道路賛成派にも)、区長との懇談会実現など。

(3)地域宣伝の強化

HP充実・更新、ニュースの定期発行・配布体制拡充、保育園・学校・商店会・町内会への働きかけ続行。

(4)会員拡大・地域毎の地域連絡網の確立

(5)幹事、会計担当者の複数確立

(6)住民アンケート、調査研究(他の全路線と連携して)

以上