優先整備路線を15年延長に強い懸念、見直しを求める声が一層鮮明に

4月26日総会&学習集会に36人が参加

2026年5月

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補助52号線計画の都市計画決定から80年、若林区間の事業認可および船橋までの優先整備路線選定から10年という節目の年。

東京都が「第5次整備方針」で優先整備路線をさらに15年間延長する方針を示すなか、計画の見直しを求める住民運動を広げることを目的とした「4月26日総会&学習集会」が開催され、36人が参加する盛況な会合となりました。

今回の集会では、行政が長期にわたり計画を維持する一方で、地域の社会状況は大きく変化していることへの問題意識が共有され、「合理性に欠ける計画のあり方を改めて問い直すべきだ」という住民意向が鮮明に示された集会となりました。

■52号線沿線の会が一堂に会し

司会は建築の専門家と幹事の2名が務め、会の進行は円滑に行われました。

事前にはチラシ配布と区広報板で広く告知し、都・
区議会の全会派および道路関係団体にも案内を送付。

当日は、里吉ゆみ都議会議員、中里光夫区議会議員から来賓挨拶がありました。この10年間に発足した4つの道路団体が紹介されました。

○船橋の52号線を考える会 ○52号線の環八以西の会 ○代沢26号線の会 ○品川道路問題の会

これらの団体が一堂に会したことで、広域的な道路政策を地域横断的に共有する貴重な機会となりました。

■上岡直見先生による講義 「いまこそコンクリートから人へ」 

~交通需要推計や事業評価に過大見積もり 信頼性に疑問~

講義では、長年にわたり全国の都市計画道路問題に携わってきた上岡直見先生が、36頁・72コマの講義資料に基づき、国の道路政策と52号線計画の問題点を多角的に分析し、政策転換の必要性を指摘しました。

●世田谷の社会状況と52号線計画の不整合

テキスト ボックス: -1-まず、世田谷区の社会状況の変化が示されました。 戦後に住宅地中心に発展し、不燃化領域率も拡大するなか、今後は高齢化と人口減が進む見通しです。 区内の交通状況は「非・車社会」への移行が進み、交通量・渋滞・事故も少ない現状が示され、こうした社会状況と整合しない52号線計画の問題が指摘されました。

●交通需要推計の技術的問題

続いて、国が採用する段階的推計方法の技術的課題が説明されました。 推計値がしばしば過大に示され、実績値がそれに及ばない構造が国のデータで明らかにされました。

さらに、リンク交通量・センサス交通量の推移、トリップ時間比較などの国データを、 52号線沿線と区内の地図に重ねて3D図面で可視化し、 配分計算の信頼性の低さが具体的に示されました。

●52号線計画が地域社会にもたらす悪影響

こうした推計の問題を踏まえ、52号線計画が地域にもたらす影響として、○環境負荷の増大 ○生活道路への影響 ○安全性の悪化 ○延焼遮断帯として機能せず、むしろ延焼促進の可能性、など、計画の合理性に対する政策的疑問が強調されました。

●杜撰な事業評価と道路政策の構造

さらに、国の事業評価の仕組みそのものに問題があることが示されました。 費用便益分析では、費用(C)が過小に見積もられる一方、 便益(B)はとくに走行時間短縮などが過大に算定される傾向があり、 こうした便益の水増しが政策判断を歪めている構造的問題が示されました。
 また、外環道の大深度地下方式の例を挙げながら、 こうした構造的問題は全国の都市計画道路の計画線でも同様に見られる可能性があることが指摘されました。

●軍事拡張や巨大開発優先の流れ

軍事優先政策、AI開発と巨大データセンタの拡大、エネルギー危機下での公共事業による原油消費など、上位政策が国民生活に影響を及ぼしている現状が説明され、道路計画の見直しには上位政策の再検討が不可欠とされました。

●人間中心の政策への転換

道路中心の政策から、人間中心の社会・政策への転換を呼びかけ、講演は締めくくられました。

■質疑応答と参加者の声

質疑応答では11人から計16項目の質問が寄せられ、先生から丁寧な回答と活発な質議が展開されました。

感想アンケートでは、○「統計的データで理解が深まった」○「資料が素晴らしい」○「合理的で客観的な説明だった」○「示唆に富む内容だった」 などの声が寄せられました。多くの参加者が、行政の計画根拠の弱さへの不信感や、コンクリート優先政策の転換の必要性を共有していました。

■ 第二部 総会議題報告

幹事会から、前回総会(2025年3月)からの1年間の経過報告と今後の方針が報告されました。

特に今期は整備方針の改定期を迎える中で、「第5次整備方針から優先整備路線の選定を外し、計画見直しを求める運動を攻勢的に展開してきた」ことが強調されました。

テキスト ボックス: -2-「計画は15年延長されたが、追い詰めているのは住民の側だという確信を持ち、見直し運動をさらに広げよう」と、今後の方針として5つの柱が示されました。

続いて会計報告があり、当日は会費・寄附金・資料代などで5万円近い支援が寄せられました。

今回の集会を通じて、地域のこれからを一緒に考える大切さを、あらためて共有することができました。 今後も、多様な形で関心を寄せていただきながら、安心して暮らせるまちづくりを、皆さんとともに進めていきます。

2020年総会

ニュース

2020年総会報告

52号線の会の会員の皆様

コロナ感染拡大の新たな状況の中で、毎年開催してきました52号線の会の総会は、感染防止から今年度は中止にさせていただきます。そこで幹事会は11月8日に総会報告(①1年間の主な活動経過報告②都市計画道路52号線をめぐる状況と今後の活動方針、とくに12月上旬と来春の都に申し入れ行動③会計報告)について確認し、会員にニュース形式で届け、皆様からのご意見を戴くことにしました。

みなさん方のご意見は11月中にメール(setagaya52go@gmail.com)またはファクス(03-3427-0886)でお寄せ下さい。ご意見は会の活動に生かします。

また、来春開催を予定している道路問題学習集会にも反映したいと考えます。どうかご理解のほど、よろしくお願いします。

2019年の総会以降の主な活動についての報告

●2019年9月 52号線の会ホームページを立ち上げ運用開始。

●10月 総会の様子をニュースで知らせる。

●10月 26号線の会との連携を強め、事業認可に抗議し行政不服審査請求に12名が賛同者になりました。

●10月~11月 52号線の問題をお知らせするための保育園への申し入れ。一昨年5月の大津市の交通事故で保育士、園児ら16人の死傷者が発生、52号線の沿線は保育園、幼稚園、学校が多数あり、この危険にさらされますので、52号線の会は、保育園10カ所あまりを訪問、道路の問題(交通事故以外の問題も含めて)をお知らせしました。伝えた内容は①52号線の計画道路は幅20㍍の大型道路で、環状7号線~環状8号線などの区内幹線道路間の通過道路である。よって住民には不要であること。②52号線は緑化されている住宅地を貫くため、緑地の減少および車の排ガスの増加など環境破壊を起こすこと。③警視庁の事故調査によると交通事故の大半は交差点で発生しており、死亡事故の圧倒的多数が大型道路の交差点で発生、「52号線の交差点の数を推定すると30カ所あまり(若林~成城7丁目5.9km間)となり交通事故を呼び込むようになります。④公園3カ所(経堂4丁目と船橋1丁目の大・小の公園)が52号線で奪われること、など説明。これにたいして園長、副園長は大変心配をされており、公園は現在でも不足しているのがさらに減らされることを特に心配の様子でした。ある園では「保育士たちと園児の親に52号線の問題を説明させていただきます」とのお話がありました。

●12月「ご存知ですか?52号線計画」告発チラシ4500枚作成

 保育園を訪問して「52号線ができると、どのような問題が生じるのか」お知らせしてきましたが、52号線が園のすぐそばを通ることも知らない様子でした。沿線住民に道路計画を知らせることの必要性を痛感しました。そこで、「ご存じでしょうか?世田谷の住宅地に20㍍の道路計画が進められようとしています」というチラシをつくりました。

●12月~2020年2月 会員が手分けしてチラシを配布

 広範囲の地域に知らせる必要性を感じ、52号線沿線のほか、接続している南北道路計画の133号線128号線の周辺を含め、計画道路幅の4~5倍の広さにお知らせしました。

  • 52号線環七若林陸橋~環八船橋・桜丘までの延長約4キロ幅80メートルにわたって配布、会員35人参加
  • 133号線は、北が日大、南は農大までの約2.4キロの区間の幅75メートルに配布、経堂地区の会員3人参加
  • 128号線の沿線にも配布
  • 経堂地域、千歳船橋地域のほとんどの商店街への配布

 地域全体へ都市計画道路を知らせる必要から会員2人参加。経堂地域の商店街に配布

シンフォニー、スズラン通り、経堂南口平和通り、農大通り、本町通り、経堂西通りの各商店街(道路両側)に配布

 千歳船橋の商店街への配布(船橋、経堂地域の会員が参加)

●12月~2020年2月 経堂地域の商店会への申し入れを実施。経堂南口平和通り商店会(会長)へ52号線の問題を説明。その内容を議事録にして商店会役員にも配布していただきました(52号線のチラシも添えて)。ほかに本町通りおよび農大通りの商店会にも申入れをしました。

●02月 都は未着手区間整備の都市計画道路あり方方針策定しパブコメ募集、これに意見書を提出

●04月 都は防災整備計画改定で特定整備路線事業延長を打ち出しパブコメ募集。抗議と意見書を提出

●05月 会ニュース2020年1号500枚 「都の2つの動きと52号線現状を知らせる」などを掲載。

●08月 会ニュース№2 500枚 「コロナ感染対策最優先に道路事業見直せ」「広い道路ができると道路の雨水が排水溝に集中するので、ゲリラ豪雨になると排水能力を超えて住宅地の浸水被害が発生する」などを掲載。

●09月 都の局長が特定整備路線推進を最優先することを強調し発表。26号線の会の都交渉に52号線の会から5人が同席

●10月 認可区間(特定整備路線)の現地調査活動に12名参加

52号線をめぐる現局面と今後の方針

★現局面と運動の目標・展望

(1)都はコロナ禍でも道路整備やめず、都市計画道路全線の完成に向けた整備方針を打ち出している。

都建設局長は最優先事業の一つに災害時の延焼を防ぐための“特定整備路線”を挙げ、「新型コロナを受けた特別体制下でも防災・減災は優先することになっている。すでに地権者との協議に入っている事業は着実に進めていく」と意気込む。(都政新報 2020.9.11)

しかし都内各地の道路裁判で大型道路は延焼を防げず、むしろ災害を拡大することが明らかになってきている。「防災」で住民をだませないとなると「コロナにより.…将来目指す姿としていたものがあっという間に現実のものとなりました。…世界から選ばれる都市となるために我々には一刻の猶予もありません。…都民の命を守り人が輝く東京を創りあげる。新型コロナを乗り越え、未来の東京を切り拓くため…」に(小池都知事声明 2020.8) 昔決めた道路ネットワークは何としても完成させる。国・都の財政破綻も、住民の困窮も、交通量も、防災も、地球環境破壊も何も関係ないというのです。

(2)都民の「コロナ禍中、不要不急の道路整備見直せ」の運動広がる。

5月19日、都市計画道路問題連絡会、特定整備路線連絡会合同で、52号線の会を含む都内41団体・会員約2,000名の声として「不要不急の道路事業凍結・中止で、都の予算 4,000億円+国の補助金 4,000億円=8,000億円をコロナ対応財源にして欲しい」という要請書を都知事宛てに提出。野党議員も「5月5日の都の依命通達(既存事業の見直し)で街路整備とは事業認可済み路線も対象となることを確認している」。

しかし建設局長は前記のように「道路は防災」だから対象外と主張を繰り返しています。

(3)52号線の特定整備路線など認可区間(若林~豪徳寺+宮坂)、優先整備路線区間(宮坂・経堂・船橋)、未着手区間(祖師谷・成城)の地権者・沿線住民の連携広がる

現在“事業中”なのは特定整備路線(環7若林陸橋~世田谷線踏切りまで)と宮坂一丁目の128号線交差点までです。特定整備路線整備は世田谷線から先の整備や、南北道路の128号線につながらねば車を通せませんが、128号線や52号線の地権者・沿線住民は連携して、不屈の闘いを続けています。52号線の現在の用地買収率は若林~世田谷線の区間約57%、踏切から宮坂1丁目128号線までの区間18%にとどまっており、認可地域の少なくない地権者が土地と暮らしを守って頑張っています。また沿線住民や児童生徒・園児の親御さんから道路建設による環境破壊、町並み壊しに怒りの声が上がっています。

事業説明から25年、2015年の事業認可から5年、来年3月の事業期間内に完成させることは不可能です。52号線の128号線以西は事業説明会も測量も行われていません。環八以西にも新たな会が出来、闘っています。いままさに住民の運動が大きな力を発揮しています。

★今後の運動方針

(1)事業中区間の事業延長を許さず、優先整備路線区間の“優先”を外させる運動

東京都、及び認可する国交省へ今年度内(3月まで)に「新都市計画法により住民参加で再検討を」申し入れる。またこれまでの“回答”を踏まえ、新たな内容を加えた公開質問状を都に提出し問題点を質し住民に知らせる。

(2)都議会・区議会への働きかけ

都議会・区議会議員への要請・質問状(道路賛成派にも)、区長との懇談会実現など。

(3)地域宣伝の強化

HP充実・更新、ニュースの定期発行・配布体制拡充、保育園・学校・商店会・町内会への働きかけ続行。

(4)会員拡大・地域毎の地域連絡網の確立

(5)幹事、会計担当者の複数確立

(6)住民アンケート、調査研究(他の全路線と連携して)

以上